今回のテーマは『部活動』。
校則と並んで昨今の話題に上がるテーマの一つ。
なぜ話題に上がるのかと言えば、「部活動」と「ブラック労働」は明らかに繋がっているから。
ちなみに、教員が部活動で時間外(放課後や休日)勤務した場合、どれぐらいの報酬(残業代)が貰えるのかといえば、
・平日の放課後の残業代はゼロ。
・土日祝日は「特殊勤務手当」として以下の額。
2時間以上3時間未満 1,800円
3時間以上4時間未満 2,700円
4時間以上 3,600円
なお、土日祝日に部活動で勤務する場合の交通費支給(高速代含む)はゼロ。
※ちなみに私の所属する自治体では、部活動や補習・生徒指導などによって勤務時間を超過することも考えられるという業務の特殊性を鑑みて「調整額」という名目で毎月4%一律で給与が増額されています。(給特法とも言うのかな?)
例えば部活動指導で、
・基本給 300,000円
の教員が、
・平日20日間、時間外勤務16:40~19:40
・土日祝日8日間、時間外勤務9:00~12:00
時間外勤務したとすると、
部活動指導で毎月貰える金額は実質、
土日祝日の ¥2,700×8日 = ¥21,600
調整額 ¥300,000×0.04= ¥12,000
の
¥33,600円(土日の交通費は自腹)
となります。
これを時給換算すると・・・
33600÷(3時間×20日+3時間×8日)= ¥400
時給¥400円で時間外勤務(残業)している事になります。
(自腹の交通費を含めると、遠方から来ている先生は完全にマイナスだそうです。)
これが『教員定額働かせ放題!』と言われている所以です。
でも、
これはさすがにイカんじゃないか!!
という事で平成31年に中央教育審議会より答申が出されました。
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新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方
改革に関する総合的な方策について(答申)【概要】 (平成31年1月25日中央教育審議会)
第1章 学校における働き方改革の目的
〇 これまでの我が国の学校教育の蓄積はSociety 5.0においても有効であり、浮足立つことなく充実を図る必要。これまで高い成果を挙げてきた我が国の学校教育を維持・向上させ、持続可能なものとするには、学校における働き方改革が急務。
〇 ❛子供のためであればどんな長時間勤務も良しとする❜という働き方の中で、教師が疲弊していくのであれば、それは❛子供のため❜にはならない。
学校における働き方改革の目的は、教師のこれまでの働き方を見直し、自らの授業を磨くとともに日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、自らの人間性や創造性を高め、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようになること。
〇 志ある教師の過労死等の事態は決してあってはならないものであり、そのためにも、学校における働き方改革の実現が必要。
(以下略)
全文はコチラ
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が・・・・
この答申から3年が経ち、今はもう令和4年。
何も変わってねぇ!!!!
そこにさらなる追い打ちをかけるように、
メディアで報じられるのは、
『教員不足』
『志願者倍率が下がり、教員の資質が低下』
など、
あたかも現職教員を批判したり、教員や教員を志す人間が居ない事だけが問題かのような記事ばかりで、答申から3年経っても全く変わらない学校現場の労働環境やシステムを問題視する記事がほとんど出て来ない現実。
正直、この部活動の問題をどんな方法で解決するのがより良いのかは私も模索中ですが、例えば、
・業務として学校から完全に切り離し、外部委託。(学校の施設は使ってOK)
・部活動したい教員は時間外に「副業」という形で関わる。
・「調整額」や「特殊勤務手当」という誤魔化しを廃止し、正規の残業代を支給する。
・大会は学校名でしか出場できないので、高体連などの協力も必要。
などが考えられますが、もっといい案が他にあるかもしれません。
とにかく、
早急に何とかしないとかなりヤバい状態だと強く感じています。
ん?
『嫌なら断ればいいじゃん。』
ですって?
おっしゃる通り。
でもね、
断ろうとすると、
『あなたが引き受けてくれないと、子ども達が活動できないんです!』
って、
子どもを人質に取って脅されるんです。
場合によっては、
「アナタそれでも教員ですか?」
ってダメ教員のレッテルを貼られることもあるんだそうです。
教員も人間です。
教員も一人の労働者です。
教員は公務員なので「全体の奉仕者」ではありますが「奴隷」ではありません。
それとも、スーパー〇イヤ人か何かと勘違いしてます?
これから体や心を壊した病休者がますます増え、
志願者も減り、
それでも自治体は断固として教育にお金を使わず、
結果、教員は増えず、
年度末には教員が居ないと騒ぎ、
結局見つからずに現場の教員の負担がますます増え・・・
(最初に戻って負の無限ループ)
このままだと、子どもたちの為に働きたいと本気で思う教員が居なくなります。